■ 相続手続きについて

 

相続手続きは慣れない方にとっては複雑で、たいへん面倒なものです。

しかも、手続きを行う市役所や法務局等の公的機関および金融機関等は、すべて平日昼間のみの対応です。

平日に休みが取りにくい多忙な方には、単純な手続きをするだけでもたいへんです。

ましてや、金融機関毎にそれぞれ手続きが異なったり、窓口の人が不慣れな場合が多く対応が極めて悪かったりと、不快な思いをすることも多くなります。

相続手続きは、様々な手続きを決められた時間内に行った上で10カ月もあるからと思って、ノンビリしていてはいけません。

 まず、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本類を集めなければなりません。

法定相続人の戸籍謄本も必要です。

相続関係を公的な書類で明確にするためです。

これが、意外と時間がかかるのです。

 私たち専門家でも、ケースによっては1ヵ月や1ヵ月半を要するということがよくあります。

亡くなられた方の所在地の役所ですべてが事足りればさほど時間もかからず、スムーズなのですが、長い人生、戸籍の変遷も多く、遠方の役所となれば、どうしても郵送等で取得する必要があり、戸籍くらい自分で取得できると簡単だとタカをくくっていると、すべて集めたつもりが金融機関に相続手続きに行った際に、○○と○○が足りませんので、それらがすべて整ってから再度お越し下さいと冷たくあしらわれることとなりかねません。

また、自筆の遺言書(自筆証書遺言)が発見されれば、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に検認手続きの申立てを行わなければなりません。

これにも1ヵ月や1ヵ月半を要する場合があります。

 もちろん検認申立てを行えばそれでおしまいということではなく、家庭裁判所で相続人等の立会いが必要になってきます。

 遺言書がなければ、相続人全員による遺産分割協議が必要です。

 相続人間で円満に協議がすすめば、遺産分割協議書の作成も円滑に進められますが、相続財産をめぐって、意見が分かれたりするともう大変です。

一度の遺産分割協議では決着がつかず、相続人全員が一堂に会することを何度も行わなければならなくなると、そう、時間はいくらあっても足りません。

仕方がないので、相続不動産を複数の相続人で共有するという、自分たちの代に解決する努力を怠り安易な選択を行ったりすると、後世にさらに大きな争いの火だねを残してしまうことになるのです。

わかりますよね。

不動産の共有者が後世に引き継がれると、共有者の数が大幅に増え、さらに解決が難しくなってしまうことは、いわゆる争族になってしまうと、10ヵ月の期間云々の話ではなくなってしまいますが円満な相続手続きでも、四十九日を過ぎてから、のんびりと着手すると意外と時間が足りなくなることがあるものです。

 

相続手続きは、どうぞ早めに専門家にお任せ下さ

 

なお、どうしても自分たちだけで手続きをするんだという場合でも一度は私たち専門家にご相談の上、着手されることをおすすめします。

 

相続開始後の流れについての資料を、ご希望があれば送付いたします。